カタログフィードとアベイラビリティフィードの概要
Appleのビデオコンテンツ用プラットフォームでは、ユニバーサルメディアカタログ(UMC)を使用したコンテンツプログラミングに対応しています。UMCにコンテンツを含めるには、提供するコンテンツについての情報を記載したカタログXMLフィードを1つ以上と、コンテンツが利用可能になる場所および日時に関する情報を記載したアベイラビリティXMLフィードを提出する必要があります。
サービスプロバイダは、XMLフィードのエンドポイントのURLに関する管理を行い、かつコンテンツのアベイラビリティを含むデータを妥当な頻度で更新しなければなりません。
各コンテンツアイテムについては、コンテンツが配信されるサービスのカタログフィードおよびアベイラビリティフィードの両方で記述を含める必要があります。データの取り込み時に、アベイラビリティフィードに記載されているアイテムがカタログフィードに含まれていなかった場合、当該アイテムはApple TVアプリで視聴者に配信されない可能性があります。
地域別の生中継サービスなど多数のフィードを管理する場合は、パートナーマニフェストの使用を検討してください。
カタログフィード
フィードに記述できるのは、1つのカタログのデータのみです。各カタログには、カタログIDと呼ばれる一意の識別子が指定されており、1つ以上のコンテンツアイテムが含まれています。映画やテレビ番組のコンテンツアイテムはすべて、1つのカタログフィードで提供してください(カタログフィード内でのアイテムの順序は不問)。ただし、スポーツ中継のコンテンツアイテムは、個別のカタログフィードで提供する必要があります。また、できる限り1つのカタログを、複数のテリトリおよびブランドに対して使用するようにしてください。成人向けのコンテンツはフィードから除外します。
カタログフィードのエンドポイントは、カタログフィードのデータをXML形式のドキュメントとして返します。カタログフィードにおけるアイテムの順序は不問でしたが、各アイテムの要素の順序は重要です。必ず「XMLフィードの要素」で指定されている順番通りに記述してください。
アベイラビリティフィード
ビデオサービスプロバイダがUMCアベイラビリティデータインターフェイスを実装することで、Apple TVアプリ、ユニバーサルサーチ、Appleサブスクリプションビデオといった、Appleが提供するさまざま体験を通して、コンテンツを見つけて消費できるようになります。これによってAppleは、コンテンツがいつ、どのように、どこで再生できるかがわかるようになります。
サービスおよびそこで配信されるコンテンツのアベイラビリティは、以下の情報を使用して指定します。
- オファー:コンテンツがいつどのように利用できるかを指定します。
- 制限事項:対象オファーに対して適用される制限を定義します。
- ロケーター:コンテンツの表示および再生が可能な場所を指定します。ただし、ロケーターは、Appleサブスクリプションビデオサービスのアベイラビリティフィードに含めてはなりません。当該コンテンツはApple TVアプリで直接再生されます。
- 再生可能なプロパティ:コンテンツのアクセシビリティおよび品質に関する設定を行います。
フィードは、事前に定義したHTTPSエンドポイントで公開してください。UMCデータ取り込みサービスが定期的に当該エンドポイントにアクセスします。
セキュリティを確保するため、エンドポイントは代表的な認証局が発行した証明書を使用してHTTPSプロトコルをサポートする必要があります。さらにセキュリティを強化するには、IPアドレスの範囲によってエンドポイントへのアクセスを制限したり、HTTP認証を利用したり、クライアント認証を必須にしたりします。Appleテクニカルパートナー担当者と連携し、エンドポイントへのアクセスに使用されるIPアドレスが、承認済みであることを必ず確認してください。
フィードには必ず、サービスで提供されるコンテンツの最新アベイラビリティデータを反映させる必要があります。コンテンツIDとカタログIDで識別されるコンテンツアイテムは、一意である必要があり、かつフィード内に記載できるのは1回までです。1つのコンテンツアイテムのアベイラビリティデータは、1つの要素内にまとめて提供してください。当該サービス内の当該コンテンツアイテムに対して、すでに提供されたアベイラビリティデータがある場合は、この新しいデータによって上書きされます。
アベイラビリティデータの取り込みに向けて実施する主なタスク
- チームIDが登録されていることを確認します。
- ビデオアプリ統合の場合、チームIDは自身のアプリと関連付けられているデベロッパアカウントのIDです。
- Appleサブスクリプションビデオ(Apple TVチャンネル)サービスの場合、チームIDはプロバイダのショートネームです。
- チームIDが不明な場合や、まだ登録されていない場合は、Appleテクニカルパートナー担当者までご連絡ください。
- サービスIDが登録されていることを確認します。
- サービスIDは、サービスの特定に使用される一意の識別子です。Appleにサービスを登録する際に設定されます。
- サービスIDが不明な場合や、まだ登録されていない場合は、Appleテクニカルパートナー担当者までご連絡ください。
- アベイラビリティデータ内で参照されるコンテンツアイテムが、カタログフィードで提供されていることを確認します。
- 「UMCカタログおよびアベイラビリティデータインターフェイス仕様」に記載されているデータ要件に従ってアベイラビリティフィードを実装します。
- アベイラビリティデータフィードのHTTPSエンドポイントに関する情報を提供します。
現在サポートされているサービスは、ビデオオンデマンド(VOD)とリニアの2種類です。サービスの種類がVODかリニアかによってフィードのデータ制限が異なります。
VODサービス
オファー期間を連続して設定する必要がないコンテンツのアベイラビリティを指定する場合、サービスの種類にVODを使用します。VODにすることで、視聴者は通常、決められた放送時間にビデオコンテンツを視聴するのではなく、オンデマンドで当該コンテンツを選んで再生することができます。VODサービスは、テレビ番組、映画、イベントベースのスポーツコンテンツをサポートしています。
VODサービスの中には、Appleサブスクリプションビデオサービスに分類されるものもあります。該当する場合は「Apple TV チャンネル用サブスクリプションビデオアセット仕様」に従ってビデオコンテンツのデリバリを行います。
アベイラビリティフィードは、マーケットおよびVODサービスの種類ごとに1つ提供してください。以下に例を示します。
- VODサービスが、アメリカ合衆国およびカナダで配信される場合、国ごとにフィードを1つずつ提供します。
- VODサービスが、同じマーケットで自身のアプリおよびAppleサブスクリプションビデオサービスの両方で配信される場合、アベイラビリティフィードをアプリのサービス用に1つ、そしてAppleサブスクリプションビデオサービス用にもう1つ提供します。
VODサービスの場合、公開するアップデートすべてに以下を含める必要があります。
- 当該サービス内で現在配信されているすべてのアイテム。
- フィードの公開日時から48時間以内に配信されるすべてのアイテム。Appleサブスクリプションビデオサービスの場合、フィードの公開日時から7日以内に配信されるすべてのアイテムを含めます。
- フィードの公開日時から過去48時間以内に有効期限切れになったすべてのアイテム。
リニアサービス
オファー期間が通常連続してかつ継続的に設定されるコンテンツのアベイラビリティを指定する場合、サービスの種類にリニアを使用します。再生(選択)ロケーターは通常、サービスレベルで提供され、同じサービス内のコンテンツアイテムおよびオファーすべてで共通となります。リニアサービスは、24時間放送のリニアチャンネルで配信されるスポーツ中継をサポートしています。
各サービスのアベイラビリティは、サービスIDとチームIDと共にAppleに事前登録する必要があります。サービス内のコンテンツアイテムはそれぞれ、コンテンツIDおよびカタログIDによって識別されます。
リニアサービスの場合、公開するアップデートすべてに以下のアベイラビリティデータを含める必要があります。
- フィードの公開時から14日以内に提供が予定されているすべてのアイテム。
- フィードの公開日時から過去24時間以内に配信されることが決まったすべてのアイテム。
オファーを期限切れにする際は特別な対応が必要です。必ず、予定されている期限の少なくとも48時間前までにXMLフィード内で期限を明示的に公開して、期限を通知してください。アベイラビリティフィードからアイテムを削除するだけでは、当該アイテムのオファーが期限切れにならない可能性があります。
Appleサブスクリプションビデオサービスにおけるコンテンツの制限
視聴者のデバイスの位置情報に応じて自身のサービスで配信するコンテンツの再生を制限する場合、Appleサブスクリプションビデオサービス向けに提供するアベイラビリティフィードのヘッダーのserviceOffersブロックで制限を設定します。ビデオアプリ統合のコンテンツについては、アプリクライアント側で制限の設定をしてください。アベイラビリティフィード内で行うと、Apple TVアプリで正常に表示されなくなる可能性があります。
また、1つのアセットに対して、画質、アクセシビリティ機能、メディアに関する高度な要素を複数設定したり、音声や字幕ファイルを複数提供したりする場合は、再生可能なプロパティを指定することで、使用する機能を各マーケットごとに管理できます。ビデオアプリ統合のコンテンツについても、再生可能なプロパティを使用して、サービス内で使用できる再生オプションを視聴者に伝えることができます。注:再生可能なプロパティは、テレビ番組およびテレビ番組シーズンに適用することはできません。
欧州連合(EU)域内での配信
自身のApple TVチャンネルが欧州連合域内で視聴可能な場合は、cross-border portability laws(越境データの移転規制)に準拠するため、EU各国に対して制限のタイプの値をdevice_location
に指定してください。
ビデオアプリ統合については、アベイラビリティフィードで当該ブロックを使用するのではなく、アプリクライアント側で上記の規制に準拠することが求められています。
「ビデオサブスクリプションパートナーのEU域内における国境を超えたコンテンツ配信」に従って、serviceOffersのrestrictionsブロックを指定してください。
Sequenceでのフィードの作成および管理
Sequenceは、Apple製のWebツールで、カタログフィードとアベイラビリティフィードのXMLファイルの作成および管理に活用できるものです。使用することでUMC仕様に準拠しやすくなります。Sequenceのアクセス方法やトレーニングについては、Appleテクニカルパートナー担当者にお問い合わせください。