コンテンツの準備

アセット品質のプロバイダ側での審査

Apple では品質を重視しています。デリバリするアセットは、高い品質を担保できるよう、技術仕様を満たしたものとする必要があります。

ビデオ、オーディオ、メタデータ、字幕、.itmspパッケージなどのアセットには、デリバリ前に以下のチェックリストに沿って品質管理のための審査をプロバイダ側で行ってください。品質管理(QC)を理由とする却下が危惧されるコンテンツに対して詳細説明を提供するには、メタデータファイルでQCメモを<comments>タグを使用してデリバリするか、.itmpsパッケージでPDFファイルとしてデリバリします。QCメモには、タイムコード、問題の詳細、理由を記載してください。


品質審査前の準備

アセットの不具合を早期に発見するためにも、Appleへのデリバリ前にコンテンツすべてに対して審査を行うことを推奨します。特に、ソースがテープベースである場合やファイルベースである場合は、必ず審査を行うようにしてください。

項目 検証事項
ソースの品質 アセットが、マーケットプレイスにある既存のものと同等程度の品質、つまり高品質であるか確認する。
オーディオ オーディオレベルを確認する。言語タグが適切に付与されているか、リニアパルス符号変調(LPCM)フォーマットとなっているか確認する。
ビデオファイル ビデオファイルに不具合がないか、冒頭部、中間部、末尾部を確認する。
ビデオフレームレート ビデオソースのフレームレート(HD、PAL、NTSC)が、ネイティブフレームレートを維持しており、仕様を満たしているか確認する。
タグライン、ロゴ、法的表示 ロゴ、年齢制限指定、アドバイザリ、FBI警告を含めていないか確認する。
ネイティブの優先フィールド ビデオソースがプログレッシブかインターレースかを判断し、ヘッダー情報のタグが正確であることを確認する。


品質管理(QC)のチェックリスト

ビデオアセットパッケージをデリバリする前に、一通り品質確認を行ってください。次の項目を検証します。なお、映画、エピソード、プレビューは、それぞれ別のアセットとしてデリバリするため、確認は各アセットに対してそれぞれ行うようにしてください。



ビデオ

項目 検証事項
アスペクト比 ビデオアセットが元のアスペクト比を維持しているか確認する。
ブロックエラーなし/緑色 ビデオアセットの再生でエラーが発生した場合、そのエラーが修正できているか確認する。
クローズドキャプションの完全同期 映画やテレビ番組エピソードが米国向けのものである場合、完全に同期が取れているクローズドキャプション(CC)ファイルが必須であるため、あるか確認する。なお、他の英語圏の国や地域向けの映画やテレビ映画エピソードでも、可能な場合はCCファイルを提供してください。クローズドキャプションの要件について詳しくは、こちらをご覧ください。
Atomタグ('colr'、'fiel'、'gama') Atomタグがビデオアセットヘッダー内に正しく記述されているか確認し、必要に応じて修正する。
クロッピング ビデオアセットがクロップされていないか確認する。多様なAppleデバイスで映画を適切に再生できるように、XMLで適切なクロップ値を指定する必要があります。
デジタルノイズ 長方形の色ブロックや、フレーム分割などが含まれている場合、品質管理(QC)を理由とする却下の原因となるため、含まれていないか確認する。
フレームの欠落/ダブり 差異や動きのない、同一の連続フレームが含まれている映画は却下されるため、含まれていないか確認する。
エンコード/表示境界 ビデオアセットに正しい寸法が設定され、アスペクト比が歪んでいないか確認する。
インターレース インターレースアーティファクト(縞ノイズ)が入っていないか確認する。
動き/映像のラグ ゴースト現象、動画のブレ、画像の重なりが含まれているものは却下されるため、含まれていないか確認する。
字幕/強制字幕 ビデオアセットに字幕ファイルや強制字幕ファイルを含める場合、同期が完了し翻訳が適切に行われているか確認する。
ネイティブフレームレート ビデオアセットの現在のフレームレートが、ネイティブフォーマットのものと一致しているか確認する。ネイティブフォーマットを利用できない場合は、IVTC(逆テレシネ)を使用してプルダウンパターンを取り除いてください。「映画コンテンツのプロファイル」を参照してください。
ビデオコーデック ビデオアセットがProRes 422 HQフォーマットでエンコードできているか、確認する。


オーディオ

エラー項目 確認事項
オーディオの不足 適切なオーディオファイル(ステレオのみ、7.1 chと5.1 chの両方、すべてのいずれか)が含まれているか確認する。
ノイズ(クラックル/ヒス/ポップ/スタティック/ティック) オーディオアセットが高品質でエラーが一切含まれていないことを確認する。
歪み オーディオアセットで音がクリアか、歪みが発生していないか確認する。
ドロップアウト オーディオアセットで、再生中にドロップアウトが発生しないか確認する。
吹き替え音声の不足 すべての台詞部分に対して、他言語の吹き替え音声を可能であれば用意してください。
ラベル付け オーディオ構成のラベル付けが適切か確認する。「オーディオチャンネルの割り当て」にある一覧通りに、7.1 ch、5.1 ch、ステレオの各オーディオに対してチャンネルを正しく割り当てるようにしてください。
同期 台詞と効果音がビデオの動きと同期されているか確認する。


アセットパッケージのメタデータ

項目 検証事項
プロバイダ プロバイダタグと、Appleで設定されたパートナーIDが一致しているか確認する。プロバイダタグがTransporterで使用するプロバイダの値と一致している必要があります。
カタログID/コンテンツID/バリアントID 各コンテンツアイテムに対し、一意のカタログID、コンテンツID、バリアントIDを割り当てているか確認する。バリアントIDは、同一コンテンツの別バージョンと識別するために必要となります。詳細は「Apple TVチャンネル用サブスクリプションビデオアセット仕様」をご覧ください。
タイトル タイトルが正確で、映画やテレビ番組エピソードのタイトルと一致しているか確認する。
テキストなしのマスタータグ 映像に字幕が焼き付けられているコンテンツでは、ローカライズ済み字幕タグが付与しているか確認する。
強制字幕タグ .itmspパッケージに強制字幕タグを含めている場合は、正しく指定しているか確認する。
チャプターに関するメタデータ タグのフォーマット、ロケール、チャプターの順番、タイムコードなど、チャプターに関するメタデータが正しいかすべて確認する。
タグや情報の欠落 メタデータのXMLファイルは、正しいフォーマットが使用されているか、適切な外部ツールを使ったプログラム的な検証が完了しているか確認する。TransporterのVerifyモードを使用することで、この検証を実施できます。詳しくは、「Transporterユーザガイド」をご覧ください。


字幕のメタデータ

エラー項目 検証事項
ファイル破損 iTunes Timed Text (iTT) XMLファイルが開けること、破損がないことを確認する。
複数言語対応での同期 字幕の同期が取れているか、ビデオ全体での検証を行う。検証時には、ビデオのソースファイルを使用してください。


パッケージ化

エラー項目 検証事項
ファイルの開閉不可/ファイル破損 パッケージ内のアセットファイルを開けること、表示や再生ができることを確認する。
パッケージ内でのファイルの不足 XMLに記述したアセットが、実際の.itmspパッケージ内に含められているか確認する。
不完全なファイル .itmspパッケージ内のファイルがすべて完成しているか確認する。